ABC(青山ブックセンター)六本木閉店
25日午後10時に閉店するとのニュースにABC(青山ブックセンターの略)の一番いい時期を知っている私は32年前の光景を回想します。1986年、この年の秋は私が西麻布にある音楽出版社に転職した年でした。青山ブックセンターは、六本木の本好きには無くてはならない書店で、多くの外国人とマスコミ業界人にとって、情報を入手する手段の一つに欠かせない存在だったのです。六本木といえば、それまで都内で別の仕事をしていた私の目にも同じ東京とは思えないほどにファッショナブルな街で、歩いている人も車もお店も何もかもがTVドラマのセットみたいで別世界な大人の街。六本木交差点からほど近い青山ブックセンターは、ウナギの寝床のような長い通路の先にある二階に上がると、国内では中々手に入らない洋書と広告や音楽などの専門書がズラッと置かれてあったと記憶しています。当時の私は企画書に困ると決まってABC(当時はこの書店を頭文字に略して読むことが一般的であったと思う)に出向くのですが、同じような考えのTV局やCM制作会社のADが何人もいた(当時のADの格好風体は大体皆同じ)ことが思い出されます。青山ブックセンター六本木店は1980年に開店し、アート、建築、広告、音楽などの専門書や洋書に力を入れていたほか、深夜営業も行うなど独自性のある書店として人気を博しましたが、EC(電子商取引)の影響なのでしょうか、近年は売り上げが低迷、今月25日に38年続けたお店の営業に幕を閉じたのです。ABCが賑わっている時期に売れていた本で一番印象に深いのが1991年発売の「サンタフェ」でした。青山ブックセンター六本木店、最後のあいさつ。
https://www.youtube.com/watch?v=czHgEReTHy4
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