株式会社　津幡石油        (tsubata sekiyu)

一世一代の大仕事

就活していた頃のことですが、私はマスコミ業界の職種に知識が乏しかったことを覚えています。当時は今と違って、情報の少ない時代。レコード会社はレコード出す仕事、テレビ局はテレビを作る仕事、と、このザックリした考えは、音楽出版社に就職したときに全て吹っ飛びました。因みにここで変わった仕事を2つご紹介します。先ず、写譜屋という職業。これはオーケストラのスコアや、編曲家が書いたスコアから、各楽器のパート譜を書き出すことを仕事としている人のこと。特殊中の特殊です。また、インペグという仕事、これINSPECTORの略。アーティストのＣＤやコンサートの伴奏者、テレビ番組や映画のBGM、オーケストラピットで演奏するミュージシャンを斡旋するのがインペグ屋さんの仕事。私が関わった業界の仕事はまさに多種多様でした。それから時を経ずして、まさかこの私が、自分が起業した制作会社でコンサートライブの仕事ができるなんて。しかもAORのミュージシャンのTV収録です。あまりにも展開が早すぎてじっくり感慨に浸っている暇もなく、会場「中野サンプラザ」へ。2000人規模のコンサートホールです。当時の収録は「とにかく豪華、ゴージャスに」が不文律、しかも一発勝負収録です。14台ほどのカメラが用意され、60人以上のスタッフが私のキューサインで一斉に動くという、痺れっぱなしの仕事なのでした。